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2008年7月30日 (水)

宝塚歌劇 星組公演「スカーレット・ピンパーネル」観劇記

このところ夜半過ぎになると、まぁベッタリと暑くもなく、割と過ごしやすい日が続いていて

昼のおっかない暑さに比べると、多少はマシかな…とも思います。

しかし西日本の方では、天候が不安定で一時的に豪雨に見舞われたりしているようです。

東日本でもいつ激しい雨が降るかわかりませんので、天候が不安だな…と思ったら

早めに雨具の用意をして出かけるようにしましょう。

さて!今日はお待たせ致しました!先週の3連休に宝塚大劇場にて観てまいりました

星組公演「スカーレット・ピンパーネル」の観劇記をお届けしたいと思います。

このところ星組は昨年トップスターに就かれた安蘭けいさん(とうこさん)と娘役トップスターの

遠野あすかさん(あすかちゃん)の体制になってからは、コス路線よりもシャープで観ていて

手に汗握るような冒険活劇タイプのお芝居が多くなっていることもあって、今回もその期待を裏切らない

リアルな歴史モノが観られて、非常に良い内容に驚嘆しました!

今回も手始めに、例の如く幾らかばかりあらすじから記してみることに致しましょう。

舞台は18世紀末のフランスでは王政が廃止され、国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットを

ギロチン台に送られ、新たに台頭してきたのがロベスピエール率いるジャコバン派で

パリでは、ジャコバン派の恐怖政治により、かつて国王のもと政治に関わっていた貴族は

無実の罪を着せられ次々に処刑される…という明日さえ見えない恐怖政治の真っ只中にありました。

そんな中、無実の罪でギロチン台へ送られる貴族を救うべく、イギリス人貴族である

パーシー・ブレイクニー(とうこさん)は勇気のある8名の仲間と共に、秘密結社「スカーレット・ピンパーネル」(長いので、これから先はSPと表記します)を組織し

混乱を極めるパリの中に現れては、貴族を国外逃亡させるという大胆な行動に出ており

その行動がジャコバン派による革命政府の公安委員ならびにフランス政府全権大使

ショーヴラン(柚希礼音さん)の耳に止まるや、パリ中を総動員してSPの行動を摘発せんと

躍起になっていました。

一方でパリのコメディ・フランセーズ劇場では、中心女優のマルグリット(あすかちゃん)が

革命政府の公演規制に反発し、この日限りでドーヴァー海峡を渡り、パーシーと結婚すべく

イギリスで結婚式を挙げることになります。

しかしその間にも、パリではSPの行動を支持する貴族がギロチン台の前に消えてゆくという現実の中で

パーシーは結婚式を挙げた翌日にSPを率いて、亡きフランス国王の遺児、ルイ・シャルルを救出すべく

再びパリへ潜入し、革命政府のベルギー人スパイ、グラパンに成りすまして、まんまと

革命政府側を欺いて、ルイ・シャルルの居場所を突き止めるコトに成功します。

一方で革命政府側もかつてショーヴランとつながりを持っていたマルグリットとの関係から

プリンス・オブ・ウェールズ主催の仮面舞踏会に、フランス側からの代表として招待され

SPの正体を探るべく調査を開始するのですが、そこでパーシー、マルグリット、ショーヴランの3人による

腹の探り合いが始まると共に、SPの正体を探ろうと躍起になるショーヴランを嘲笑うかのように

パーシーはのらりくらりと…ショーヴランの探りをかわしていきます。

しかしその間にSPの活動を手助けしていたフランス人貴族のアルマン(和涼華さん)が

革命政府側に捕まり、SPの正体ならびに活動を阻止されるまで、もう時間がないコトを

悟ったパーシーは再度8名を率い、危険を顧ず、パリに乗り込むのですが…というトコロで

あらすじはここまでにして、その先は皆さん御自身でお確かめになられて欲しいと思います。

このお芝居はご存知の通り、ハンガリー系イギリス人の作家、バロネス・オルツィが1905年に書いた小説

「紅はこべ」をもとにしており、1997年にブロードウェイにて初めて上演されると

その後はイギリス、ドイツ、ハンガリーなどでも上演されています。

このお芝居を観て思ったのは、当時のフランスは内政が混迷を極めていたこともあり

王政が倒れ、ジャコバン派による恐怖政治への非難、やがてテルミドールのクーデターで

ロベスピエールらは失脚、処刑されることになるのですが、その当時の混迷を極める

パリの様子がイヤというホドに生々しく伝わってきます。

特に何度も舞台に登場するギロチン台、あれを見るのは決して気分が良いものではありませんが

これまで長きにわたって民衆に対し搾取を続けてきた、国王・貴族に対する怒りの象徴と

云うべきモノであり、幾度もその刃が上下するサマは狂気さえ感じます。

お芝居の登場人物の一人、革命政府公安委員・ショーヴランも、右肩から左腰のあたりにかけて

フランスの三色旗を模様にしたタスキをかけているのですが、その色はかなり曇っており

自由・平等・博愛の三つの理念は、独裁・粛清・狂気の匂いがする…とお芝居の途中で

パーシーにヤユされるシーンがありますけれども、その姿は1930年代にドイツで勃興し

ユダヤ人に徹底的に弾圧を加えたナチスの幹部とダブってさえ見えます。

しかしそんな血なまぐさい舞台の上で流れる数々のナンバーは「ひとかけらの勇気」や

「炎の中へ」に代表されるように、とにかく観ている側も奮い立ちそうになるような曲が多く

場面ごとで聴く度に感動を新たにする…といった感じの曲ばかりで、ホントに素晴らしいです!

主演でパーシー役のとうこさんは、持ち前の高い歌唱力に加え、これまで雪組時代に培ったお芝居の上手さで

敵対するショーヴランをいなして、SPの正体をバレさせないようにケムをまいたり

その一方で革命政府側のスパイ、グラパンに扮した際も、得体の知れない(?)ヘンなキャラで

革命政府側を混乱させたりと、その使い分けの巧みさが効いてて、かなり楽しいです。^^

マルグリット役のあすかちゃんは、やはり花組時代に上演された「マラケシュ・紅の墓標」での

イヴェット役を演、その高貴かつやや声を抑え目にしたキャラは、今のタカラヅカの娘役の中でも

異彩をふりまいているだけあって、このトーンで演じることの出来る娘役のヒトもそういないだけに

板についた歌と演技の卓越さでは、円熟の領域に入ったのではないでしょうか。

敵役で革命政府の公安委員のショーヴラン役のれおん君は、この地位に就くまでに

貴族に冷たくあしらわれ、立場が逆転した今、自分を蔑んだ人間達に対し、復讐してゆく…という

いわゆる怒りの鬼的キャラなのですが…この役柄は前に上演された「エル・アルコン-鷹-」とキャラが変わらないので

むしろ他の方をこの役に就けさせた方がよかったんじゃないか…という気がします。

ただショーヴラン、お芝居内でこれだけSPに振り回されていたら、公安委員としては失格でしょうね。^^

あとボク的に注目したいのが、アルマンの恋人のマリー役の夢咲ねねさん(にゃにゃちゃん)ですが

今年1月より、月組から星組へ移籍し、過去に「エリザベート」の新人公演からその実力を

買われている彼女が、星組でこの魅力をどう開花させてゆくか期待したいトコロです。^^

今回のお芝居を演出された小池(修一郎)先生は、過去に上演された「エリザベート」で

星組作品を手掛けてから、実に10年以上の時間が経つこともあり、今回のお芝居は

久々の星組上演作ながら、そのありったけの力を注ぎ込んだ、海外産のミュージカルを

タカラヅカなりのアレンジで魅せてくれる、上質なタカラヅカ的芝居に仕上がっています!

すでにあと上演期間は今日を含めて5日しかありませんが、当日券はまだ幾らか残っていると思いますので

トップスターであらせられますとうこさんの歌声を聴くだけでも十二分に価値はありますから

是非ムラまで足を運んで観ておいて下さい!

ボクも8月下旬から10月上旬まで、有楽町で上演される東京公演を観に行くことが

決定していますので、また再度大きな期待をして良いのではないかと思います!

以上本日の記事をお届け致しました。また明日お目にかかりましょう。Auf Wiedersen!

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